2015年からアメリカに海外駐在し当時1歳の娘を3歳まで現地の保育園に通わせた経験、そして現在日本に帰国して2歳の息子と接する中で気づいた、幼児の英語教育で大事だと感じる3つの要素をまとめました。
あくまで一個人の経験からの意見であり、長期的に英語が定着するかどうかの結果は誰にも分かりませんが、幼児英語教育に関心のある方の参考になれば幸いです。
この記事のターゲットは
- 1歳~3歳のお子さんがいる
- 子供には英語を学ばせたいがいつ始めるか迷っている
- ネイティブの英語に触れると子供にどんな効果があるか知りたい
子供の英語力
娘・・・現在4歳。アメリカの保育園(デイケア)に1歳から3歳まで約2年通った。RやVの発音は家族の中で一番よい。英語のYouTubeを見続けることができる。
息子・・・現在2歳。アメリカ生まれだがデイケアには行かず、英語は話さない。英語の絵本/YouTubeは短時間なら楽しめる。
音楽やリズムに合わせた英語は覚えやすい
2016年当時、アメリカのデイケアに通わせてしばらく経った頃、当時1歳半の娘の口から出たはじめての英語らしい英語は言葉というよりは音楽でした。
アメリカの子供なら誰でも知っているイッチビッチスパイダーという手遊びの童謡がそれです。
それまでApple(りんご) やDiaper(おむつ)といった単語はたまに話していましたが、複数語が急に出てきて親はびっくり。
もとの曲を知らないので、娘が言っているのが童謡の歌詞だと気づくのに数日かかりました。手遊び歌だと気づくのにさらに数日。
音階があり、何度もリピートして聞ける童謡は耳に残りやすくマネしやすかった様子。その後も文章を喋り出す前に、英語の童謡の歌詞をいくつかマスターするほうが早かったです。
この経験から、歌で英語を覚えるというのは実際に効果があるなと実感しました。
家で親が一緒に歌うためにはYouTubeの活用が断然便利です。字幕付きだとさらにうれしい。
日本に住んでいても、英語の童謡集動画なんかをYoutubeで見つけて繰り返し一緒に歌うのは効果がありそうです。この「一緒に」がポイントなので次の項で説明します。
ネイティブの先生はクラスに2人以上必要
先生1人では成り立たなくて、2人以上だと生まれるものは何か。
答えは「会話」です。
ネイティブスピーカーの大人同士の、生きた会話。これが何より娘の刺激になっていた模様。
娘の通った保育園(デイケア)では子供の年齢に応じて5-10人に1人の先生がつきます。教室あたり2-3人のイメージ。
日米の幼稚園/保育園に共通している特徴として、先生は子供に対しては比較的ゆっくり、やさしい単語で話します。
一方先生同士の会話は使う単語もスピードも大人のレベル。ゆっくりやさしい英語はもちろん非ネイティブの娘にとってはありがたいはずなのですが、不思議と娘がマネするのは先生同士の会話の方。
2歳を過ぎたあたりで「I change diaper, OK?」って言ってました。私がオムツ替えるわー、と。
冒頭に書いた音楽の話とも関連するのかもしれませんが、普通の会話のほうがリズムが生まれて聴きやすいのだと思われます。
親にとっては完全に、先生方から子供向けのゆっくり英語が聴きやすいので、不思議です。
この経験から、帰国後の現在はYouTubeで流れる英語を親が積極的に復唱。妻や娘もそれに参加することで、2歳の息子の耳によい影響があればと根気良く続けています。
もし子供を幼児英会話教室に通わせるとしたらネイティブスピーカーの先生がクラスに2人いる環境がベスト。上記のとおり会話が生まれるので。
ただ現実的には、教室側も運営コストの都合で複数人の先生を置くのはなかなか難しいと予想します。
現在娘は週1回ネイティブの先生にレッスンを受けていますが、やはり先生は1人。
その中で自分にできることとして、お迎えやイベントの際には積極参加し、その先生と英語で会話する姿を子供たちに見せています。
幸い先生も英語が話せる相手が少ないので、嬉しそうに長時間話してくれています。
子供同士の英語での遊びで発話に慣れる
アメリカにいた頃、駐在員家族で休日に遊ぶと、子供同士の会話は主に英語でした。
普段から保育園や学校で英語で遊んでいる子供達にとっては、遊ぶ時は英語の方が自然なのかもしれません。
おもちゃを取り合いながら “No! It’s mine!” なんてケンカしたり。
小学生くらいの大きい子たちが英語を使い出すと、小さい子たちもつられて英語に切り替わる様子はいつ見ても不思議です。
日本ではなかなか得られない環境なのですが、周りの子たちが英語を話せば当たり前のように口から英語が出ます。娘もそうでした。
ところが現在日本では、娘は英語で話すのが恥ずかしい様子。先述のネイティブの先生に対しては話せるようですが、他の機会で英語を発話する環境がありません。
2点目のポイントである会話を「遊び」の中にも取り入れるには同年代の子達とのコミュニケーションが最も効果的だったと、いまになって振り返ります。
英語が自然に使われる環境に子供を置くことは、親がしてあげられる一番の機会提供なのではと考えています。どこか近所で英語を話す子達とのMeet Upができればと考えながら、まだ実現に至っていません。
ちなみに「遊び」を「仕事」におきかえても全く同じことが言えます。
国内営業から海外マーケに異動した際、そしてアメリカに駐在した際、それぞれ強制的に英語を話す環境に投げ込まれたことで、否が応でも自身の発話力は伸びました。
そのあたりの経緯はエッセイ風にして別記事にまとめています。
仕事で日常的に英語を使う現職のポジションを続けることで英語力を維持し、家庭では読み聞かせやYouTubeを駆使して英語が「普通」になるよう努めたいと思います。
いつから英語を始めるか→インプットは1歳から
3つのポイントはわが子を4年間みてきた中での気づきですが、サンプル数は2だけなので、もしその分野のエキスパートの目に留まったら専門家の観点でぜひジャッジしていただきたいと思います。
- 「歌」で英語のリズムを感じて口ずさむことで体に覚えさせる。
- 「会話」を聞いて複数人での英語コミュニケーションのリズムをつかむ。
- 「遊び」の中で自然に英語を発話する環境におく。
このうちの発話、つまり娘の口から英語が出ないこと、についてはあまり焦っていません。
娘はそもそも日本語であっても、自分のやりたいこと、考えていることをきちんと説明できるレベルになっていません。(めきめき伸びていますが)
主体的に発話することについてはまず日本語で基礎を固めてから英語に移っても遅くないと考えています。
ただ、耳の英語慣れについては1歳台の吸収率が高いと実感します。その頃英語に触れ続けた娘と、同じ頃にへらじかの日本訛りの英語に触れた息子とではやはりRやVの聞き取りや、転じて発音に明確な差が出ます。
そこで、いつ英語を始めるかという問いに対しては、自分ならこう答えます。
「1-2歳からインプットはしておくといいと思うよ、無理にアウトプット(英語で話すこと)は期待しなくてもいいけれど」
自分は社会人になってから本格的に英語を勉強し始め、不自由なく仕事はできていますが、やはり発音や言い回しの観点ではまだまだ発展途上です。
実際にアメリカ人や、他国からアメリカに来て働く同僚とのコミュニケーションで苦労するたびに、同じ苦労を子供にさせたくない、という思いは強まります。
帰国した現在、娘にとってはいかに英語環境を維持できるか、そしてまだしゃべれない下の息子にとってはいかに娘の経験を活かして英語の芽を植えられるかが課題です。
どんな方法を取るにしても日本での英語習得に一定の費用がかかることは避けられないので、子供たちへの将来への投資のため、資産運用は引き続き行いながら、良い学習方法や英語を使う機会創出を模索して行こうと思います。
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