英語ができるようになるとどんなメリットがあるのか。
- 世界が広がる
- 就職や転職に有利
- キャリアアップ
どれも良く聞く話ですが、要約されているがためにいまいち英語学習の強い動機にならないのではないかと考えました。
社会人になってから英語を身につけた自分が考える、ビジネスシーンにおける英語の超具体的なメリットを挙げてみます。
100%主観ですが、だからこそ具体的な話になるかと考えました。仕事で英語を使うということのイメージが付かない方の参考になれば幸いです。
海外出張ができる
1つ目の理由は、読んで字のごとく。
元々は国内営業に所属しTOEIC420点だった自分にとっては夢のイベントでした。
海外部門に異動して初の海外出張の経験。一つ一つの打ち合わせや話した相手、食べたものの記憶は鮮明に残っているので脳内物質がたくさん出ていたのだろうと思います。
あまりに英語が通じなさすぎてディナーで地蔵になり、ホテルに帰ってからひとり涙したことも含めて一生忘れない思い出に。
英語の会議の前日に緊張しなくなる
2つ目は心理的な効果。
自分は海外部門への異動後、TOEIC700点台のころは英語の会議が憂鬱でした。希望した仕事とはいえ、英語を使うことにとにかく不慣れ。
アメリカ相手だと日本時間の朝7時や8時からTV会議だったので、前日の夜は資料を家に持ち帰って必死にプレゼンの練習。
会議の規模の大小や重要度にかかわらず「英語を使う」ということ自体にハードルがあったので、会議前はもれなく緊張で眠れない夜を過ごしました。
会議の「外野」が静かになる
日本の名物である「議論の結論に影響しないけれど一言いいたいおじさん」が英語ができない人の場合、無視してディスカッションを進めることができるのでストレスが減ります。
自分もかつては英語ができない側にいたので、それ自体を悪く言う気はありません。
単に、英語でミーティングをすることで、日本語よりもストレスが減る場合もあるという経験談です。
英語の議事録がサクッと書ける
これは自分だけかもしれませんが、海外部門への異動後の最初の仕事は会議の議事録作成でした。
当然聞き取れないので録音して、何度も再生しながら1日中議事録を書くという非生産的なことをしていました。
時間がかかる主な理由は、ディスカッションのどこが重要でどこが大事ではないかの判断がつかないこと。
流れが読めないので、全てを聞き取ろうとして疲弊していました。
英語がある程度のレベルになると、重要な箇所の「拾い聞き」が可能になり時間短縮が可能になります。
シンプルな英語の議事録の書き方はこちらの記事にまとめています。
英文メールへの返信が早くなる
5つ目はメールの返信速度。
出社すると(時差の関係で)日本の夜の間に世界中から来ている英文メール。
その一つ一つに返信するのに単語を調べ、言い回しを調べて推敲するだけで日中の時間を浪費。その結果残業ということも多々ありました。
いまでもより適切な表現を調べるためにWebの辞書は使いますが、1から10まで調べることはしなくなったので業務は格段に早くなりました。
翻訳や通訳の仕事が回ってくる
自分の担当業務以外でも、英語を頼りにして別部署から仕事をもらうことができるのが6個目のメリット。
これは良し悪しの両方の側面がありますが、よく言えば仕事の幅を広げたり、より多くの関係者に対して顔をつくることができます。
悪い面としては単に「作業」としての依頼、または「Googleよりは精度のよい翻訳機」としての扱いになる場合もあるのでケースバイケース。
英語を切り口にして、上層のプロジェクトに食い込んでいけるのが理想的な英語力の運用方法です。
口だけで実はすごくない人を見抜ける
自分が英語が得意ではない場合、相手が英語を話しているだけで何か有用なことをいっているように感じるもの。
聞き取りができるようになると、その言葉に本当に意味があるのか、思いつきやハッタリで言っているのか判断ができるようになるのが7個目のメリット。
「流れるように話しているこの人は知識も経験もすごいのだろう」というのが
「口数が多いだけで実はあんまり中身が無いな・・・」と気づくことができます。
そうした文化を悪く言うわけではなく、日本以外では会議で発言しないことや意見を言わないことは良くないこととされるので、何かしら発言する文化が存在します。
そのため本人も中身が無いことを自覚しながらの「とりあえず」の発言なのか、十分な根拠や強い意志を持った発言なのかどうかを見分けることができるようになるのが英語を話せるようになることのメリットの一つです。
英語圏以外の国の情報も取りやすくなる
英語圏以外の新規市場へ進出する案件で最近経験しました。
現地の市況や法規制を調べる際、Web検索しても現地語のデータしか出てきません。
これをGoogle翻訳に投げ込み日本語へ変換すると精度が悪く、いまいち使える情報になりません。
ところが同じことを現地語→英語へのGoogle翻訳にすると、精度が高く意味の通った文章になります。
マイナー言語である日本語よりも、最もメジャーな英語を軸にすると自動翻訳の精度も良くなるという経験でした。
将来的にはマイナー→マイナー言語翻訳も改善していくのだと思いますが、現時点では英語を使うことのメリットと言えます。
本音、皮肉や悪口を理解できる
欧米ではビジネスシーンにおいては「ナイスガイ」な振る舞いが求められます。
特にアメリカで顕著なのですが、相手のアイデアを賞賛し、笑顔でポジティブな返答を繰り返すことで場を盛り上げる文化が存在します。
英語力がない状態でこの光景を見るとなんとなく議論がうまく進んでいるように見えてしまうのですが、それは表面上の話だったと後で気づくこともしばしば。
このあたりのニュアンスを捉えることができるようになるのが、英語を英語のまま理解するメリットです。
これは英語だけではなく国の文化の違いもあるので、自分もまだまだ勉強中。
ウィットに富んだブラックジョークなんかも知識とユーモアを要求されるので、今後もっと鍛えていきたいポイントです。
英語ができないという劣等感から開放される
最後の10個目は、そのままの意味です。
ビジネスではグローバル化が叫ばれ、家に帰れば子供は義務教育で早くから英語を学んでいる。人と比べる必要は無いと知りつつも、つい比べてしまうのが人の性。
特に最近の新入社員の英語力は自分の新人時代よりずっと高いと感じます。義務教育での英語早期化に伴って今後どんどん、普通に英語を理解し話す世代が入社してくると思うと、ある時期苦労して身に着けておいてよかったなあと安堵できます。
自分自身、帰国子女やネイティブスピーカーの足元にも及ばない英語レベルではありますが、社会人になったタイミングのTOEIC420点、海外部門にうつった700点台の頃と比べれば、自信を持って「英語を話せる」と言えるようになりました。
将来さらに階段を上ることができたなら、また違った視点で英語を話すことのメリットを挙げてみたいと思います。
仕事で英語を使わなくてはならないという方が、具体的なイメージを持てたのなら幸いです。
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