2018年注目のヘルスケアグロース株インテュイティブサージカル3Q決算

ISRG,da Vinci,ダビンチ 30代からの資産運用

アメリカ在住時に開始した米国株投資では基本的にETFによる配当戦略を採っていますが、これから長い投資家生活の勉強も兼ねてサテライトとして個別株を保有しています。

その1つ、インテュイティブサージカルの2018年3Q決算が出たので解説と展望についてまとめました。手術ロボット業界トップ、市場成長に支えられた注目の米国グロース株です。ヘルスケア分野への投資に関心がある方への参考になれば幸いです。

Intuitive Surgical社の概要

インテュイティブサージカル (ISRG) はアメリカ、カリフォルニア州に本社を置く医療機器の製造販売業。ロボット支援下低侵襲外科手術の分野で市場を引っ張るトップ企業です。

同社のダビンチ (da Vinci) は業界トップシェアの主力製品。手術ロボットとしての本体の売上だけではなく、手術1回ごとに使用する消耗品の売上にビジネスとしての強みがあります。

手術ロボットを見たことがない方は一見の価値ありです。多数のアームを持つ形状には未来を感じずにはいられません。

ダビンチ,da Vinci,手術ロボット

これがすでに世界で約4,900台も販売されています。日本でも200台以上が導入されています。

2018年第3四半期決算

2018年10月18日に出された同社のIRレポートを参照します。

前年第3四半期決算と比較して

  • ダビンチによる手術件数が約20%増加
  • 169台だったダビンチの出荷台数は231台に増加
  • $808M (約889億円) だった収益は$921 (約1,013億円) へと14%増加
  • 当期純利益は$299M (約329億円) から$293M (約322億円) へ、EPSは$2.56から$2.45へ減少

主な成長のドライバーはアメリカの外科手術と全世界での泌尿器科手術での使用率アップ。

純利益とEPSの減少は2017年に行ったTrade-out programのため。

決算発表から週末を挟んだ2018年10月22日の株価は$503で、最高値の$581からは下がるものの$500を下限として落ち着いています。

 

今後の事業展望

情報元は同社のIRレポートです。

新製品のダビンチSPが今期3Qに初めて出荷されています。

ダビンチSPは体表に空けた小さな穴からカメラや手術器具を体内にいれて手術が可能な、低侵襲医療機器ロボット。空ける穴が1つで済む = Single Port の頭文字をとってSP。

さらに2018年8月には米国FDAへ、次期製品となるIon endoluminal systemの販売前申請を行っており、気管・呼吸器領域への事業拡大も予定しています。

この認可が完了すると大きく3つの製品モデル、da Vinci, da Vinci SP, Ion というラインナップで様々なロボット医療を提供可能になります。

 

投資判断:手術ロボ ダビンチが1強のうちは保持

単価が高い手術用ロボット市場は固定費型のビジネスだと見ています。

固定費型ビジネスにおいて重要なマーケットシェアは、ヘルスケア分野においては行政による審査・認可が必要という特性から考えて、新規参入しづらくひっくり返りにくいと考えられます。

仮に他社の手術用ロボットが行政認可を得たとしても、実際に臨床の現場に入り込むには医師のトレーニングや有用性の証明という学術的な活動が必要であり、年単位で時間を要します。

いまから2-3年の間にダヴィンチの市場が他におきかえられるということはあり得ず、長期で保有できる株だと考えています。競争が激化することは必至とさきのIRレポートにも書かれはいるものの、1強状態が続くうちは保有し続けるつもりです。

現在は主力製品ダビンチの普及をすすめるのと平行して新製品へと自社投資をするフェーズ。配当はありません。

本命である高配当ETFを中心に据えながら、こうしたグロース株で企業研究の生きた勉強をしていきます。

なお撤退ラインは株価ではなく事業内容に紐付けて、あらかじめ設定しています。自分の判断が良かったのか悪かったのか振り返るため、以下の記事にしました。

インテュイティブサージカル株 (ISRG) を購入した3つの理由と撤退ライン
保有するポートフォリオのほとんどの銘柄は米国株ブログ界隈でも定番といわれるものばかりですが、インテュイティブサージカル (ISRG) は非定番ながら期待を込めて買いました。数年後に成績が良くても悪くても自身の判断を振り返れるよう、記録を残し...

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